幕末オオカミ 第三部 夢想散華編
局長が、あんたが犬死することを望むとでも思うのか。
そんなことあるわけない。
あの人はいつだって、あたしたちの幸せを願っていてくれた。
そんなこと、総司だって言わなくてもわかっているでしょう?
「くっ……そおおおおおおおおお!!」
総司は行き場のない思いを、浅葱色の空に叫んだ。
体中から振り絞った、痛みを。悔しさを。悲しみを。絶望を。
その悲鳴は、今まで負ったどんな傷よりも、痛かった。
あたしはバラバラになってしまいそうな総司を繋ぎ止めるように、彼の体を力一杯に抱きしめた。