幕末オオカミ 第三部 夢想散華編
土方さん……。
俺は正直、あんたにどんな顔で会えばいいのかわからない。
約束を守れなかった俺を、あんたは責めたりしないだろう。
けれど、近藤先生のことを考えないように働きづめになっているあんたの姿が、簡単に想像できるんだ。
自分の半身みたいな人を失って、それでも逆風に向かって立つあんたの姿を見るのが、辛いんだ……。
近藤先生。
俺は、このまま果てるしかないのでしょうか。
大事な女を傷つけて生き延びる意味が、俺にあるでしょうか?
先生……。
横たわったまま溢れた涙がすうっと、耳に流れていった。
もう何も考えたくなくて、俺はそのまままぶたを閉じた。