幕末オオカミ 第三部 夢想散華編
「真相は、その朧ってやつに聞かなきゃわからねえってことか」
土方さんはお手上げとばかりに、両手を軽く上げた。
「今度会ったら、真相を聞く前に斬ってしまいそうです」
「俺もだ。あいつを見たら、絶対に生かしちゃおかねえ。
どうして俺が生きているのかはわからねえが、それなりの仕事をするしかねえよな」
そう話を切り上げると、松本先生は自分の宿所に帰っていった。
土方さん、本当に大丈夫なのかな?
早く元気になるといいけど……。
胸の中にもやもやとした不安を抱えたまま、総司の横顔を見た。
彼もまた、不安そうな顔で土方さんを見つめていた。