幕末オオカミ 第三部 夢想散華編
しかし……。
結局、他の旧幕府軍は錦の御旗を目にし、次々と戦意喪失。
翌日5日、伏見を追われた旧幕府軍は淀千両松に布陣したが、あえなく敗退。
鳥羽方面も同様だった。
そして6日、男山の東西に分かれて布陣した新撰組を含む旧幕府軍は、また砲撃を加えられ、撤退を余儀なくされた。
「淀藩も津藩も裏切りやがって……!」
永倉先生が悔しそうに自分の膝を打った。
2藩とも味方だったはずなのに、朝廷に逆らうことはできず、旧幕府を裏切る形となった。
5日に淀城に態勢立て直しのために入城を要請した旧幕府軍を、淀藩は拒否。
6日には津藩が朝廷にしたがってこちらを砲撃した。
こうして、数々の裏切りと最新兵器を携えた敵に、あたしたち新撰組は大半の隊士を失い、初めての大敗北を味わったのである。