蕾 〜A bud of fate〜
いきなりだがお金が無い。
携帯止まっちゃう。
僕困っちゃう。
バイト探そう。
そんな事考えていると…



「おーい!夜運ー!」




「…」
声で誰かわかった。
暑いから関わりたくない。


無視。
 
「お前遅刻じゃね!?」

無視。
 
「お前バイトしたいだろ?」
 
「……なんで?」
 
これは無視できない。
 
「あのさ、いいバイトがあるんだよ!成功したら莫大なお金を手にする事ができるバイト!」
 



「いや、なんで知ってるんだ?バイトしたいのを。」


なに?お前エスパー?
なんで知ってるのか真面目に気になる。
 

「てか、まずさ、高校生で莫大な金って…なんかだめだろ」





警察のお世話になる気がするし。
悪い予感がしてならない。










「いや、物を盗むバイト。楽だぞ」







「へー…楽なんだ…。
いやいやいや…盗むとか犯罪じゃね?」 
 
予感的中。
期待を裏切らない子だわ。




てか、あのさ、暑いんだよ。
だから馬鹿みたいな話を馬鹿みたいに話す馬鹿の言葉に馬鹿みたいに流されそうになったんだよ、今みたいに。





いや、俺は馬鹿じゃない。うん。馬鹿じゃない。
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