蕾 〜A bud of fate〜
「だからさ、学校行こうぜ。」 
「いや意味わからないよ!」



知らない。無視。
また無視を決め、歩きだすと肩を掴まれ、ビシッっと何かの紙を押し付けてきやがった。
 




「…なにこれ?」




 
その紙を手にとり、見るにつれて、浮かび続けるあまりの疑問の量に俺は顔をしかめた。




ん…?

「これ……病院にあるやつか?」 
 


色々な器具?みたいなのが書かれていた。見た事のない器具から、心拍計るやつとか…名前は知らない。

とりあえず紙を勢いよく破こうとした時、
 


「あぁっと!ちょっと待った!盗むつってもちょっと借りるだけらしい。どこの病院でもいいから。じゃあな」
 


そう言い残すと
すごい早さで走っていった…
 
「待っ……はえぇ……」
 
ちょっと待てこらぁあああ!!
 
そして…俺は呆然と立ち尽くし
 
「てかどうする…盗むのなんか無理だ…てかあいつどっからこんなバイト…てかバイト違うだろ…こんなの…。」
 
俺はいろいろな器具や薬品が書いてある紙をポケットにいれ、また深くため息をつき、ゆっくり学校へと歩きだした。



学校で会ったら殴ると誓って。
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