龍蝶~闇に隠された愛~【下・完】
「あ、そうそう。お金も溜まったし引っ越す?」
「え?」
「いやね、夜の仕事してるとお金溜まるじゃん?梨華もあんな奴と一緒にいた家なんて居たくないでしょう?」
「…まぁ…嫌だけど…」
「だから、お金溜まったから高層マンションにでも引っ越す?」
沙絵子さんはそう言って化粧を始めた。
「梨湖は…?」
「もちろん連れて行くわよ。あの子まだ人生半分も生きてないのよ?私立にでも行かせないと…」
沙絵子さんはちゃんと私たちのことを考えてくれている。
「そう…ですね…」
「じゃ、私仕事行くから家の事お願ね。」
そう言って仕事に出かけた。