龍蝶~闇に隠された愛~【下・完】
深夜3時。
ふと、目が覚める。
「……一翔…?」
「梨華、起きたのか?」
「…うん。」
月に照らされた一翔は優しい目をしていた。
(これが…龍蝶トップの目とは思えないよ…)
私は握っている手に少し力を入れた。
「…梨華…。」
あぁ、終わっちゃうんだ…
なんてなんとなく思っちゃったよ…。
一翔は私から目を逸らした。
そして…言った。
「俺といて、楽しい…?」
「…うん、楽しいよ。」
「俺といて、嬉しい…?」
「…うん、嬉しいよ。」
「俺と、いて…悲しい…?」
「…うん、悲しいよ。」
わかる、段々一翔の声が震えてる…。
「俺といて、さみし…ぃ?」
「…うん、寂しいよ。」
本当は言いたくないんだよね…。
だけど…。