龍蝶~闇に隠された愛~【下・完】
家に帰っても浅緋が言っていた言葉は残っていた。
スマホの履歴を見ても一翔の名前は消せていなくて、
ちゃんと残ってる…。
(いつまで未練を残してるの)
私は覚悟を決めて一翔を消した。
「泣くくらいならどうして別れたの?」
梨湖が聞く。
「え…知って…?」
「お姉ちゃんが来なくなってから気づいたよ、それに一翔さんも違う女性を連れたから。」
「お互い好きあって惹かれあって付き合ってたのにどうして別れたの?」
「大人の事情よ。こうするしかなかったの。」
「うそつき。本当は別の道があったはずなのに。」