龍蝶~闇に隠された愛~【下・完】
「…ごめんなさい…。」
「…いいの梨湖。言ってることは正しいよ、大丈夫だよ。」
後悔ばっかの人生だよ、私は。
「梨華、梨湖おいで。」
沙絵子さんは部屋から少し顔を出して手招きをした。
梨華と梨湖はその手招きのほうへと足を進めた。
「…あんたも後悔ばっかして生きてるんじゃだめ。きちんと想いを伝えなさい。今は無理かもしれないけど1年後、2年後何年かかってもいいから全部伝えなくちゃ、人間言葉なきゃ伝わらないんだから。」
「…うん。」
「梨湖の梨華を心配する気持ちは梨華も重々知ってるよ。でも少し離れてみよう。あんたももうあんたの人生を歩んでるんだから。良いね?」
「…うん。」
「きちんと帰っておいで。きちんと学校通ってきなさい。」
「うん…。」