龍蝶~闇に隠された愛~【下・完】
「もう…春かなぁ…」
本を読みながらつぶやいた。
ぽかぽかとする部屋はとても居心地がよく、春を知らせているようだ。
(一翔…元気かな。)
未練たらしい女だと自分で思うけど、やっぱり私の心の中から一翔は消えていなかった。
”今日は全が迎えに来てくれたのでたまり場でご飯を食べます。”
梨湖からラインが来た。
”はーい!全によろしくね”
私はそう返した。
”今日は夜の仕事の日なので晩御飯はいりません”
沙絵子さんからもそう来た。
”わかりました!頑張ってください”
「今日は一人か…」
私はそうつぶやきスーパーへと出かけた。