龍蝶~闇に隠された愛~【下・完】
「ちょっと疲れたね~」
私はそう言って屋台の椅子に座った。
「ねぇー」
「ん?」
「なんで、なんにも聞かないわけ?」
朋香はそう言ってまっすぐ私を見た。
「え?」
「だから、なんで何も聞かないの?一応私骨蝶の姫なんだけどー」
「…。」
朋香の言いたいことは分かっていた。
”どうして一番情報網のある私に一翔君のことを聞かないのか。”
”なんで気にならないのか。”
分かってはいた……。