龍蝶~闇に隠された愛~【下・完】
心に残ったのはイライラと悲しみと信じている心だった。
”あなたとの縁を切る代わりに黒蝶を優先した”
何百人の命を預かっている一翔の決断は正しいんだろう。
だけど、いてもたってもいられなくなり私は家をとびだした。
電車をいくつも乗り継いで一番すきな場所へとついた。
そっと勝手口から入る。
「姫・・・?」
最初に気付いたのは丞平だった。
誰にも気づかれたくなくて「しーっ」と言った。
「どうしたんですか?」
小さく聞いてきた。
「一翔の様子を…。」
いけないことだってわかってるけど。