龍蝶~闇に隠された愛~【下・完】
真実
結局イライラは解消されず、脳裏には女の姿がずっとあった。
数か月が経ったある日。
私の携帯に一件の不在着信が入っていた。
それは誰からもなく、知らない番号だった。
当時私は新しいバイト先に募集をしていたので、それかと思い掛け直した。
「もしもし、先ほど電話をいただいた者ですが。」
「……。」
「もしもし?」
「……梨華…?」
耳が取れそうなほど驚いた。