生徒会長は女王様
 「いつも……こんな時間まで仕事してたの?」

 
 会長が再び視線を落としてゆっくり頷いた。

 
 「今日はもう終わったんじゃなかったっけ?」

 「……ゴメン……」


 初めて聞く、弱弱しい声。

 会長はもっと強いと思ってた。

 こんなことがあっても落ち着いてて、冷静に対処するんだと思ってた。

 ……だけど……

 会長だって、普通の女の子なんだ。

 
 「ゴメン……
 途中からだけど、話聞いた。」

 「…うん……」

 「俺のこと好きってホント?」

 
 会長が、ゆっくりと俺を見た。

 
 「…うん……!」

 
 会長の目から涙が溢れ出して、肩を震わせて泣き出した。

 こんな会長を見るのは初めてで、心の底から……守ってあげたいと思った。

 優しく、壊れ物を扱うように抱き締める。


 「俺も……好き。」

 
 そう呟いた瞬間、会長が俺の背中のシャツを鷲掴みした。

 強いようで、ホントは誰よりも脆く繊細な生徒会長。

 俺は32回目の遅刻からこの繊細な女王様にはまってしまったようです。


 「琴……」

 
 そう呼ぶと、会長……琴は涙を流しながらも嬉しそうに、照れたように、微笑んだ。


 



その笑顔は


一生俺の物



そう思ってもいい?





【完】
 
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