生徒会長は女王様
 俺は素直にドアを閉めて、生徒会長の前に座る。

 
 「え~と…
 なんでしょう…?」

 
 これから何を言われるのか、そんな恐怖と戦いながら思い切って聞いてみる。

 生徒会長は俺の顔を見て、フッと笑った。

 その笑みはまるで女王様のように優雅で美しくて……



 って、何考えてんだ?
 俺。

 でも
 ま、確かに女王様だね。
 
 この素振りは。


 
 「勉強、できる?」

 「は?」

 
 バカなことを考えてた俺に、いきなり女王様……生徒会長が話し掛けてきた。


 「できる?」


 そりゃあ、できるかって聞かれたらできないけど……

 何でそんなこと聞くのさ?


 「や、見事なくらいさっぱり……」


 とりあえず正直に答えた。

  
 「ふ~ん…
 誕生日いつ?」

 「3月15日です…」

 「うお座だね。
 血液型は?」

 「A型っす。」

 「じゃ、一緒だ!
 ね、彼女は?」

 「いないっすけど……」

 「告られたことは?」

 
 言っていいのか?


 「それなりに……」

 「ふ~ん……
 じゃ、彼女いたことある?」

 
 なんでそんなこと聞くんだ!?



 そんな質問を繰り返しながら、気付いたら6時をとっくに過ぎていた。

 
 「また明日来てね。」

 
 そう言って生徒会長は俺に手を振った。

 
   
 また明日って……
 何でだ?

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