泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
「ごめんっ…麗都…っ

私っ…私がっ…聞いていれば…っぐすっ…」

蓮唯は泣きながら言う。

そんな蓮唯を強く抱きしめた。

「お前のせいじゃないよ。

蓮唯。お前はお前が信じた道を歩んだ。

お前があいつを好きだったから信じようとしたんだ。

お前のせいじゃない。

家柄のせいでもない。あいつ自身のせいだ。」

麗都はそういう。

「私っ…私っ…」

「留学の話、もらったんだろ?」

麗都が聞くと蓮唯は首を縦に振った。

「行けばいい。

お前を悩ませたものはもうないだろう。

これでいけるじゃないか。」

麗都は嬉しそうにだけど寂しそうに笑った。

だが、蓮唯は首を横に振った。

「無理っ…いけない…。」

「どうしてなんだ?」

「私…好きなの…優をっ…」

「何言って…家柄も違うんだぞ!!

それになにを言われたのかわからないけど、

お前をこんなに苦しめたんだぞ!?」

「わかってる!!わかってるけど…。」

< 101 / 110 >

この作品をシェア

pagetop