泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
「あの…古都凪さん…」

帰ろうとしている蓮唯に声を掛ける一人の少女。

「はぃ?」

蓮唯は振り向いて言う。

「おぉ?」

朱音はスマホを見て言う。

「わたくし、桜方姫 希子(さくらがたき きこ)と申します。」

「…は、はぁ…」

蓮唯は自己紹介をされた希子を見る。

希子は清楚で美しい姿勢で立っている。

「桜方姫って…あの?」

朱音が口を挟む。

「我が家は代々伝わる和菓子屋。
桜屋を経営しております。」

希子が言う。

「あぁ…幸邦(こうほう)さんのところの…」

蓮唯が小さく言う。

「やはり…あなたは古都凪 麗一さんのお嬢様ですよね?」

希子が言う。

(あ…やばっ…)

「わたくし、あなたとお友達になりたいんです…」

希子が言う。
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