泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
「友達?」

蓮唯の代わりに朱音が言う。

「あの…蓮唯さんのお兄様目当てではないんです…。
ちゃんとお友達になりたくて…」

「私と友達?やめたほうがいいんじゃない?」

蓮唯が言う。

「どうしてですの?」

希子が不思議に言う。

「だって…。こんな制服着崩してるし…朱音とつるんでるし…。
あなたが下に見られるよ?」

「わたくしの事をご心配してくださっているのですか…?」

「だって家柄大切でしょ?私はただの音楽が好きで入っただけで…」

蓮唯が言うと希子はカバンから風呂敷を出す。

「これ…わたくしが作った和菓子です。お友達になってください。
わたくしは下に見られてもいいんです。家柄なんて…関係ないです。」

希子は強い目で言った。

「私はいいよ?」

「朱音?」

「確かに家柄なんて気にしてたら満足な友達作りもできないじゃん?」

朱音がそういった。

「確かに…。うん。いいよ。私は古都凪 蓮唯。
よろしく。蓮唯って呼んで!」

蓮唯は明るく言う。

「はい!わたくしは桜方姫 希子です。
よろしくお願いします蓮唯様。」

「はいはい。私は一十木 朱音!!まぁみんなみたいに金持ちではないかな~。
単にピアニスト志望!!よろしくね希子!」

「はい。朱音様。」

希子は満面の笑みでいう。

「だめだめ友達に様付なんて!!それこそ本物の友達じゃないよ?
ていうか今日から希子は私らの親友!!だから!」

朱音はそう言って蓮唯に目で語りかける。

「親友…」

「まぁ…そうだね。」

蓮唯はいって教室を出た。


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