泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
優はそうモジモジして言う。

「あのさ…」

「そのモジモジいらない。男ならもっと堂々としてなさいよ!!」

蓮唯はそう言う。

〝ぶわっ〝

「なっ!?また泣く!!!もぉ~…ほら!笑って!!
魔法の言葉は?」

蓮唯は泣く優に言う。

「わ、私とっ…同じ顔するっ…!!」

優はそう言って泣きながら笑顔を見せた。

「やればできんじゃん!ずっと笑顔でいないさいよね!?」

蓮唯はそう言って朱音と歩き始めた。

すると…

〝カツン………カツン………〝

〝てくてく………てくてく………〝

「な、なんか私たちの歩調にあってる気がするんだけど…」

朱音が言う。

「そうかな…? き、気のせいよ!!」

蓮唯はそう強がる。

〝カツン……カツン……〝

〝てくてく……てくてく……〝

「ほら…合ってない…?」

「そ、そんなわけ…」

〝カツン…カツン…〝

〝てくてく…てくてく…〝

「だ、誰!?」

「うきゃぁ!?」

蓮唯が振り向くとそこには優がいた。

「な、なんだ…優か…」

蓮唯は一息をつくそして…

「なんでついてくるのよ!!あんたはストーカーなの!?
頭はいいけど人間の常識が抜けてるの!?どうなのよ!!」

今までの恐怖をすべて優にぶつけた。

「ご、ごめんなさぁいっ…」

優は驚いて涙目になる。

「あぁ!!また泣く!?泣くの!?優!あんたは弱いの!?
ほんとに男なの!?泣き虫なの?それとも私たちの嫌がらせ!?」

「ち、違うくて…あの…僕っ…この道っ…」

優はおどおどしながら言う。

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