泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
「んじゃ、出席確認するぞー。呼ばれたら一言えな?
入学式んときできなくて理事長に叱られちまったからな…。
じゃ、行くぞー」

そう言って楓は名簿をパラパラとめくり始めた。

どんどん呼ばれていく。

そして…

「古都凪 蓮唯。」

「はぁい。よろしくぅー…」

蓮唯はだるそうに立ち上がって言う。

「あんなぁ…蓮唯。もうちょっといい挨拶ねぇのかよ…」

楓は肩を落としていう。

「ここには世界のセレブがわんさかいるんだぞ?」

「知らないです。それに私はセレブじゃない。」

「はぁー…次、一十木 朱音。」

「はぁい!!一十木朱音でぇす!!将来はピアニスト!!
楓先生みたいになりたいです!!よろしく!」

「おぅ!!一十木よろしくな!!なんかわんねぇことあったら聞けよー?
はい次。」

「なんか…扱いの差を感じるんだけど…」

蓮唯は頬付を付き小さく言う。

「え?そう?私は全然~」

朱音は座りながら言う。

「目が…目が輝いてるよ朱音さん…」

蓮唯は呆れながら言う。
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