泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
「…こんなの真面目にやる人いるの?」

「蓮唯はわかんのかい…。楓先生が真面目だって!!」

「次、桜方姫 希子。」

「はい。桜方姫 希子と申します。
皆様どうぞこの一年間よろしくお願いします。」

(いたー!!真面目にやってる人いたー!!希子すげぇ!!)

「蓮唯…口開いてる。」

朱音は隣で言う。

「え…だって希子すごいじゃん。真面目…」

「あのねぇ…。
希子は由緒正しきあの桜方姫家のご息女なんだから当たり前でしょ?」

「そっか…。まぁそうだな。ふむ。」

「おい蓮唯うるさいぞ。」

楓は声を張り上げて蓮唯に向かい言う。

「すいませぇん。」

「一十木も!!蓮唯が話しかけたら無視していいんだぞ?」

「はい///楓先生」

(はぁ…この学園やだぁ…。先生ヒイキするし…)

蓮唯はスネて携帯を出した。

「なにやってんの?」

朱音が隣からヒョコッと顔を出した。

「んー…麗都に連絡入れてる。」

「なんで?仕事中じゃないの?」

「そうなんだけど…約束だからさ。」

「約束?」

朱音は蓮唯の打つ文章を読みながら言う。

「そ、学園に行くのはいいけどしっかり連絡しろって…」

「相変わらず心配性だね麗都くん。」

「ほんとー。そうなんだよね」

「お前ら…廊下に出てやがれ!!!」

楓につまみ出されて蓮唯と朱音は廊下に立たされた。

「あーぁ。朱音のせいだ。」

蓮唯はそういい携帯をいじる。

「蓮唯だってスマホいじってるし。」

負けじと朱音も言う。

「うるさいし。朱音。」

「同感、蓮唯。」


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