泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
「Japan音楽祭は日本で行われているコンクールで
7回以上優勝している人にしか出場できない音楽祭なの。
コンクールだったらなんでもいいから結構たくさん来るの。
まぁ…優勝者だけだけど…」

「へぇ…そんなのがあるんだ。」

「ほんとに知らなかったの?」

朱音は蓮唯の顔を覗き言う。

「うん。だってそんなの聞かせてくれなかったし。」

「そりゃ…最近できたんだもん。美麗さんが知ってるわけないでしょ。」

朱音は腕を組み言った。

「そうなの?初めて知ったよ」

「Japan音楽祭はこの学園の先輩、
千鳥屋 願音(ちどりや ねおん)様のお父様が開催している音楽コンクールらしいですよ。」

「ち、千鳥屋!?」

朱音は驚いてもう一度聞いた。

「え、えぇ…」

希子は苦笑いで頷く。

「誰?」

蓮唯は聞く。

「あんた…そんなのも知らないのぉ!?
由緒正しき家系のくせに…」

朱音はため息を付いて言う。

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