泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
蓮唯は少し経ってから校門へ向かった。

校門では既に優が待っていた。

「待った?」

蓮唯は駆け足で優のもとへいく。

「いえ…僕も今来た…とこ…です。」

「そう?じゃぁ帰ろう。」

蓮唯はそういい歩く。

「れ、蓮唯さん…」

「んー?」

「いいんですか…?一十木さんと帰らなくて…」

優は言う。

「何あんた私と帰りたくないの?」

「い、いえ…そういうわけじゃ…」

「じゃぁ早く帰るわよ。」

(私だって朱音と帰りたいわよ。でも…

それ以前にあんたを好きになっちゃったんだから…)

「れ、蓮唯さ…」

「同じ年なんだから敬語やめてよね?

なんか聞いててうざい。」

蓮唯はきっぱり言う。

「うっ…はい。」

「ほら敬語。あんた日本語わかんないわけ!?」

〝ぶわっ〝

「うっ!」

(久しぶりの優の涙…)

「あぁー!!もう!!すぐ泣かないの!!」

蓮唯はそういい優の頭を撫でる。
< 47 / 110 >

この作品をシェア

pagetop