泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
(ちょ…ちょっと…え?)

「はぁー…」

蓮唯は美麗の後ろ姿を見ながらため息を付いた。

蓮唯は渋々美麗の隣に座った。

「じゃぁ母さん、出すよ?」

「えぇ。お願い麗都。」

美麗は笑い言った。

「はぁ…」

「何ため息付いてるのよ。

いいじゃない?お父さんに会えるんだから…」

「そういうことじゃないでしょ。

勝手に決めて、ドレス用意して…

もともと私が断っても行かせる気だったんでしょ?」

蓮唯は窓から見える景色を見ながら言う。

「まったく…誰に似たのよ蓮唯は。」

「知らなぁい。」

「まぁまぁ母さんも蓮唯もやめなよ。

麗牙もいるからさ、蓮唯。

緊張してるのはわかるけどなぁ~」

麗都は運転しながら言った。

「話すより運転に集中してよね麗都。」

「怒らないでよね蓮唯~」

「それに私は緊張なんてしてない…」

蓮唯はそう言うと静かに目を閉じた。



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