泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
「え…っ」

「蓮唯…っ」

その声は幻聴なんかじゃなくて紛れもない優の声だった。

「ゆ…う…?」

蓮唯は涙をこらえ名前を呼ぶ。

「突然いなくなるなよ…。」

優はそういい強く蓮唯を抱きしめる。

「マジ焦った…。確かに付き合ってないけど俺の気持ち知れよ…。

蓮唯が好きなだから男みたいに口調も直して髪も切った…。

なのにお前は振り向かない…。

どうすればお前は俺のものになってくれる?」

優は消えそうなトーンで言う。

「俺は少し強気で将来に向かって走ってるお前が好きなんだよ…。

昨日のテレビだって…

芸能一家に囲まれてる蓮唯を見てお前の兄貴たちに嫉妬した…。」

(嬉しい…っ…優が見てくれてた…)

蓮唯は静かに涙を流し優の話を聞く。

「お前が望むように…。全部叶えたいって思うし、

お前を幸せにしたい。だから変わったんだ。

なぁ…蓮唯。俺のものになってくれ。

大事にする…。」

優はそういい蓮唯の首に顔を埋めた。

「っ…んっ…うんっ…優っ…」

泣きながら蓮唯は頷く。

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