泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
家族の中でもなんでも言える次男、麗都。

そんな麗都に思いがけない事を言われた蓮唯。

蓮唯の頭の中は混乱に溢れていた。

「な…んで…?」

「飛王流という家元は敵に回すと厄介だってじいちゃんが言ってた。」

「それだけ…?

それだけで諦めろって…?」

「それだけって…

お前これがどれだけ重要かわかってねぇのか?」

いつもの麗都とは違い優しさなんてものはなかった。

「わかんないよ…分かりたくなんてない!!」

蓮唯はそういい二階に駆け上がった。

(優がそんな家系だったなんて…。

私何も知らなかった…。だけど諦めたくなんてないっ…

優が好きなんだもん…。初めて好きになった人なんだもん…。

私の…私の〝初恋〝なんだよ…)

蓮唯は枕に顔を埋めた。

「弱いな…。私…」

そういった蓮唯の頬には一筋の涙があった。

(泣き虫…)
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