泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】

「あ…ごめん。じゃ…どっちがいい?」

「え？そこ聞くの？」

「だって…蓮唯が望む方がいいし…」

優はそう笑顔でいう。

「そんなの…。どっちでもいいでしょ。

優は優なんだから…。」

〝ぎゅっ〝

「ちょ…ここ公共の場なんだけどー？」

蓮唯が恥ずかしそうにいうと優は薄く笑い言った。

「誰も見てないよ。」

「見てるから言ってるんだけど…。」

「で、なんかあったんだろ？」

優は蓮唯に抱きついたままいう。

「……。」

「蓮唯、」

「優は…家柄とかって気にする人…？」

(私すっごい酷いこと聞いてる…よね？)

「…あー…。」

優は蓮唯から体を離し雨などは一切降らなそうな快晴の空を見上げた。