泣き虫彼氏と強がり彼女。【上】
しばらく二人の間には沈黙が流れた。

優は一息はいて真剣な眼差しで蓮唯に向かい合った。

「蓮唯…。俺がそんなこと気にすると思う?」

そんな優を見て蓮唯は胸が痛んだ。

(ナヨナヨしてて…泣き虫だった優。

こんなに男の子みたいな顔だったけ…?)

「…俺は家柄なんてどうでもいいよ。

蓮唯と一緒に居れればいいよ」

「だ、ダメ!!優はちゃんとした人と付き合わなくちゃ!!」

「それはお前の勝手な意見だろ?」

「えっ…」

意外な優の言葉に戸惑う蓮唯。

「俺の意見はどこいったわけ?

俺は蓮唯の隣にいたいわけ。

お前まで母さんと同じこと言うのか…?」

「え…」

「母さんも言ってた。

付き合うならきちんとした家柄の人とお付き合いしなさいって

耳がタコになるくらい言われ続けた。

だから家を出たんだよ。」

(優がそんなこと…)

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