もう絶対に君を離さない!!
その夜、原先生が言っていた様に、実緒は熱を出した。

呼吸も荒く、息苦しそうだ。

俺は解熱剤のオーダーを出し、点滴に追加した。

しかし、熱は下がることがなかった。

翌朝、一番に原先生が様子を見にきてくれた。

「実緒ちゃんは、もともと体が弱くて他の人にくらべると、菌に対する抵抗力も免疫力も少ないんだ。」

「だから、急に強い薬を使うこともできないんだ。」

すると、体温計のアラーム音が鳴る。

「39.5度か・・・。熱が高いな。春斗先生、解熱剤は何時に使った?」

カルテにある俺のオーダー時間を見ると、午後10時となっていた。

今は午前8時30分を少し過ぎたところだった。

「熱を下げてあげたいけど、先に抗生剤を使おう。30分で落ちるようにしてね。」

「それから、採血ね。結果がでたらPHSに連絡をしてくれるかな。」

「後、体を冷やしてあげて、30分ごとに検温もよろしくね。」

「なるべく、目を離さないでそばについていて、何かあったら直ぐに知らせて・・・。」

「勿論、春斗先生にもね。」

山本さんと佐藤さんに指示を出し、俺たちは外来診療へと向かった。

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