もう絶対に君を離さない!!
俺は外来の患者を診ながらも、実緒のことが心配でしかたなかった。

それでも、目の前にいる患者に集中してこなしていく。

気が付くと最後の患者にお大事にと担当ナースが声をかけているところだった。

慌ててもどると、原先生が先にきていた。

「今朝の抗生剤が、効いたようですよ。炎症反応も数値が下がってきてます。熱も37.8度です。」

「実緒ちゃん、よく頑張ったね。点滴はまだ外せないけど、何か口から食べたほうがいいよ。」

「何がいいかな?」

「いつもの、あれがいいなぁー。」

いつもの?ってなんだろうと考えていると・・・。

「了解!!特別に今日は2つ用意しておくよ。イチゴ味のぜりー」

そう言うと俺に目で合図する。

二人で廊下に出ると・・・。

「春斗先生の今日の勤務はどうなってる?」と聞いてきた。

「この後は、非番です。」と答える。

「そうか、良かった。」

原先生が、真剣な顔つきに変わった。

「実はね、実緒ちゃんのよくあるパターンなんだけど・・・・。」

「良くなっているよにみせかけて、油断するとそこから一気に悪化するんだ。」

「いつも、そうだとは限らないんだけどね。」

「その時は、早急に対応しないと大変なことになるんだよ。」

「僕は午後からも、外来があるから直ぐには駆けつけられないかもしれないと思ってね心配だったんだ。」

いつもの優しい顔つきに戻ると、エレベーターへと行ってしまった。
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