もう絶対に君を離さない!!
何だかとっても眠い・・・。

「実緒、起きて!眠っちゃだめだよ。」

その声は・・・。

和也!!良かった。私達はずっと一緒だよね。

約束したんだもんね。

「ごめん。その約束は、守れないんだ。」

どうして?私はこのまま和也と行きたい!!

「俺はもう、戻れない。でも、実緒はまだ十分間に合うから大丈夫。」

嫌!!だって、和也がこうなったのも本当は、私のせいじゃない!!

それに、私は独りぼっちになっちゃうんだよ。

「実緒には、兄さんが居るだろ。小さい頃から大好きな・・・。」

「俺、本当は分かってたんだ・・。でも、俺も実緒のこと大好きだったから・・・・。」

「だから、兄さんの替わりでもいいから、おまえのそばに居たかった。」

「幸せだったよ。最後はちゃんと守ることもできた。もう、十分だよ。」

そんなこと言わないで・・・・。お願いだから・・・・。

わたしは、涙が止まらなかった。

「おれからの、最後のお願いだ。兄さんと幸せになって欲しい。」

そんなの・・・無理だよ!!首を振る。

「無理じゃないよ。よく思い出してごらん。実緒は本当は誰が好きだったの?」

「君は、もう気づいているはずだよ。いつも、君を影から見守っていたのは誰?」

「入院ばかりして、淋しい時にいつも、そっとそばに居てくれたのは誰?」

「怖くて、眠れない時に安心して眠れたのはどこだった?」

「記憶をなくしている間、ずっと一緒にいてくれたのは誰だった?」

でも・・・でも・・・・。

「さあ、戻る時間だよ。こうして実緒と最後に話ができて良かった。」

すると、和也の体が、キラキラとした光に包まれていく。

私は眩しくて、目を閉じた。

そして、何か強い力で体が引っ張られていく。

薄れていく意識の中で和也の声が聞こえた。

「実緒、さようなら。大好きだったよ。ありがとう。」
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