もう絶対に君を離さない!!
どれくらい眠っていたのだろう・・・・。

目が覚めた私は、横を見ると春兄がぐっすりと眠っていた。

そして、私は和也に夢の中で言われたことを思い出していた。

・・・本当に好きだったのは誰?

確かに、結婚の約束をしたり、いつもそばに居てくれたのは和也だった・・・。

でも、私の初恋の相手は・・・春兄。

・・・いつも見守っていてくれたのは?

・・・淋しい時にそばに居てくれたのは?

・・・不安に押しつぶされそうになった時、安心して眠れた場所は?

・・・記憶を無くしてからも、ずっと一緒に居てくれたのは?

みんな思い当たるのは・・・・春兄!!

じゃあ、和也は?!

もしかして、全部分かっていたの!!

春兄の気持ちも、私自身でさえ忘れていたこの想いも!!

だったら、どうして結婚しようなんていったの?

私だって和也のこと大好きだったよ。

和也の死を知ったときは、ずっと一緒にって、私も逝こうって・・・。

それなのに、最後に私を守れて良かった。幸せだった。ありがとう。さよなら・・・。

どうして?!なぜなの!!

私はいつの間にか、ベッドから起き上がり大きな声で叫んでいた。

肩で大きくハア、ハアと息をしていた。

体は酸素を求めているのに、上手く呼吸ができない。

くっ苦しい・・・。

「実緒!大丈夫だから落ち着いて!!」

寝ていたはずの春兄が、紙袋をわたしの口にあてながら・・。

「吸って・・。吐いて・・。もう1度だ。」

背中をやさしく撫でながら、繰り返す。





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