もう絶対に君を離さない!!
俺は、PHSを取ると原先生に連絡しその後、守衛室に連絡し霊安室の室温調整をOFFにしてもらう。

勿論、ご遺体がないのを確認した後でだ。

霊安室は中から鍵がかけられていた。

俺は、実緒!!ここに居るんだろう?開けてくれ!と扉を叩きながら叫んだ。

でも、返事がない。

そこへ原先生が、守衛さんと一緒に走ってきた。

「実緒ちゃん見つかったのかい?」

俺は、多分この中に居ると思うと話ながら、鍵を開けてもらう。

霊安室の中は、真っ暗で何も見えない。

急いで電気をつけると、部屋の隅っこに実緒を見つけた。

慌てて駆け寄り、バイタルのチェックをする・・・・。

良かった。なんともない。眠っているだけだ。

俺たちは、ホットして肩の力を抜いた。

眠っている実緒をそっと抱き上げた時、目が開いた。

「いつも私のそばに居てくれたのは、春兄だったんだね。」

「私が、一番初めに好きになったのも、春兄だったよ。」

「和也は私に、それを思い出させてくれたんだ。」

「ずっと心の奥にしまいこんで、忘れてしまっていた気持ちを・・・。」

だからね、実緒。俺たちは和也の分も幸せにならなくちゃいけないんだよ。

命を懸けて、俺たちに気づかせてくれた本当の気持ちだからね。

それに、実緒があそこに居ることも、危険なのも教えてくれたのはね・・・。

信じられないかもしれないけど、和也なんだよ。

急に耳鳴りがして、和也の声が聞こえたんだ。

実緒、俺はもう絶対に君を離さないからね。

そして、実緒にやさしくキスをする。

「うん。絶対に離さないでね。」
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