紅葉



紅葉が落ち葉に変わる頃だった。



長い長い冬の始まりの手前、




「あ、のよ…」



残念そうな明が眉を下げて申し訳なさそうな顔をしていた。



「暫く此処に来れないんだよιこれから数日間今よりもっと遅くなるからさ」



そんなことか……



「プッ…」


「紅葉?」


「別に気にするな!明は、部活と百合ちゃんに専念しなさい!!」


「バッ////」



顔を赤くして動揺する明が可笑しくてクスクスと笑った。




私の病気について知ったのかと思ったから…私は安心した。



「バカにしやがって…///…コホンッ!あのなぁ、俺が百合ちゃんをデートに誘えないのは、だなぁ」


「誘えないのは?」


好奇心の思いに私は胸を踊らせる。


「お前が心配だからだ!バーカ!人の心配する前に早くいつもみたいに俺の背中をバシバシ叩く気力を戻せ」



そう言いながら、明は私の頭をクシャクシャッとする。





明………………







大好きだよ?





決して口に出せない想いに私は蓋を閉じて、笑みを漏らす。




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