紅葉
俺は、震える脚でゆっくり立ち上がった。
「お前、何処にいるんだよ?」
『教えなーい』
電話越しにクスクスと笑う紅葉。
「冗談じゃないぜ?何処にいるんだ?」
『明はさぁ、もっと自信を持った方が良いよぉ』
紅葉が何で今そんな事を言うのか分からないが、紅葉の電話に耳を傾けながら、俺は家を飛び出た。
無性に怖かった……………
それはまるで……………
紅葉が俺の隣に戻って来ない気がしたから………………