真夏の高校生探偵記
-3年後の夏休み
俺…立谷清二は高校3年生になり、またもや暇な夏休みを過ごす…。3年間そうだ。誰とも遊んだことない。
俺の住む金剛町の商店街をブラブラ歩く。特に意味もなく。
最近は朝早く起きる。目が覚めて寝付けなくなる…。
だから、気晴らしに早朝の散歩と言うわけだ。
周りは誰もいない、やっている店もチラホラあるだけ…だった。
「あれ?清二君?朝早いんだね!おはようー!」
朝から明るい声が聞こえた。俺を呼んでいたが…別にいだろう。
「また、無視かぁ。でも、いいもんね。また声かけてやるんだから!」
彼女は俺と同じ高校…金剛高等学校に通う女子高生の野々瀬明莉。いつもクラスで一人でいる俺に気を使ってか毎日のようにしつこく声をかけてくる…
正直迷惑な話だ。
しかし、あいつの店の野菜はうまい。特に野菜炒めは最高だ。
「この先は…『金剛会館』か。どうせ暇だし、行ってみるか」
誰も聞いてないだろう、俺の独り言なんて…
このまま、「金剛会館」まで歩いて行った。