影光 ーmoonlightー
「じゃあ、音域は高い?低い?」
「言ったら分かっちゃいますよ」
「いいよ。それで。」
「…低いですよ。
2年2組の吹奏楽部で木管楽器に含まれる
黒い楽器でオーボエではない楽器を吹いていて音域は低いです。
さぁ、これで満足ですか?」
「えぇー…
んむ――――――――」
「何ですか」
多分今、俺の顔は真っ赤だ。
先輩の顔は見えない。
「好きですよ。
夢叶先輩のこと。」
「…」
終始無言。
沈黙が苦しい。
俺は先輩の腕を引っ張った。
「うぎゃあっ」
小さな悲鳴を上げ
元の位置に戻った先輩の顔は
真っ赤だった。
「その反応は先輩も好きと捉えていいですか?」
「…はい。」
俺、今誓いました。
絶対きーさん先輩よりも幸せになってやろうと。
真っ赤な顔した先輩の顔を見ながら。
「俺も質問していいですか?」
「えぇ~」
「先輩って『えぇ~』口癖ですよね」
「うん。このタイミングで質問はやめよう」
「嫌です」
「うちも嫌」
「先輩俺と付き合ってくれますか」
「もちろん付き合います。
大好きな梶山くんがそう言うのなら」
…してやられた。
end