care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~






「なんであいつと文化祭まわったの」







私達は二人で屋上から下を眺めていた。







「ごめん。実は慶くんとライヴ行く約束
 してたのに行けなかったから、その
 埋め合わせと思って…」





俯きながら呟いて上目で空を見つめる







「っずるい。そうゆうときだけ
 甘えるような目で見てきて。
 俺、めちゃくちゃ捜して
 めっちゃ嫉妬したし…ばーか」






空はいじけたように私から視線を外した




そんな空の髪を触りながら
私は空にキスをする。
 




「私が好きなのは空だけだよ。
 ずっと空だけ。空以外いらない。」





「俺だって美咲だけだよ。
 だから他のどこにも行くなよ」








空はそう言って私の目から視線を唇に
移して、そのままキスした。







唇を離した時、何かが
下から浮かんでくる。







「あ、赤い風船!!!」





きっと誰かが手を離してしまって
昇ってきた風船だろうな。




それを見てると空が手を伸ばして
紐を掴んだ。







「これ2人で持って帰ろうよ」





「じゃあ私が持つ!」






私が空から風船を受け取り
そのまま2人で屋上を出た。






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