care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~








「美咲ちゃん良かったよー!!
 ねえ、この仕事ほんとにしてみない?
 美咲ちゃんも楽しかったでしょ??」






「はい!凄く楽しかったです!!」







ほんとに驚くほど楽しかった。






この仕事してみたい。






「良かった!じゃあ、これ私の名刺。
 気が向いたらここに電話ちょうだい。」





「はい!!」






ほんとになっちゃおうかなー!







そうウキウキしながら
名刺を見ていたら






「おつかれー」




「おつかれさまです!って、あ。」







声をかけてきたのはあの蝶野 瀧。






でも蝶野くんは私にお水を渡してくれた







「ありがとうございます。」



「うん。てか、あ。って何だよ。
 おまえ、一般人なんだって?
 素人なのにスゲーな。
 もしかしてナルシスト??」





はあ????





なにこいつ初対面なのに失礼すぎ!




空がこいつのこと嫌いなの
少しわかる気がする!!





「ちがいます!!ただ体が感覚的に
 動いただけで!」




「へえ~~感覚的に?すっげー」




「うわ。なんかむかつく。」




「お前、可愛い顔して
 気強いのな。こっわ。」






この人ほんとにアイドル!?




空とは大違い!!

ライバルにもならないんじゃない??







「私、あなたには近づかないようにって
 言われてるんです!てか、ほんとに
 あなた人気者なんですか?
 
 話したところ、空の方が優しいし」





私が空の名前を出した瞬間
蝶野 瀧の眉がピクッときた。






「空?お前、瀧川 麗堵の知り合い?」




「え、そうですけど」

「あー!
 タッキーに空の話題は振らないで!!」





突然ミルクティー色の男の人が
間に入って私を引っ張った。









「えと、あなたは?」






私が怪訝に思って質問すると
男の人は耳元に口を寄せてきた。






   ナカガワ ナナ
「俺は中川 七菜。
 とにかく空の名前は出さないで。」



「わ、わかった」






この人も目立つ顔立ちと服装をしてるから
アイドルの人なのかな?






 
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