care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~
「美咲!どこ行ってたの?
てか、なんかメイクしてる??」
撮影が終わり、careのスタジオに
戻ると空の撮影も終わってた。
「ごめん!
私、頼まれてモデルしちゃった!」
「は!?モデル?!
びっくりしたー迷子にでも
なったかと思ったよ。
で?どこの雑誌の??」
「心配かけてごめんね。
えっとね、それは」
雑誌名…そういや知らないな。
てゆか、
あんまり情報言うと、
あの蝶野 瀧と接点があったって
勘違いされちゃうよね。
きっと蝶野 瀧の名前出すと
空、機嫌損ねちゃうかもだし。
「美咲?」
「えとえと!雑誌名、聞くの忘れてた!
きっと小さく写ってるだけだと
思うし、なんかスタッフの人達
忙しそうだったから聞きそびれて」
「ふーん。そっか!
美咲がモデルデビューかー
美咲、綺麗だもんな。
で、楽しかった?」
「モデルデビューなんて、そんな!
でもモデルにならないかって
名刺貰ったよ!!
すっごく楽しかった!!!」
ほんとにモデルになったら
あれが仕事になるんだよねっ
それ凄く楽しそう!!
「まじで!?スカウトされたんだ??
やったじゃん!美咲がやりたいなら
やってみたら?モデルなんて、
そうそうなれないし、しかもさ、
一緒に仕事できるかもだし!
あ、貰った名刺見せて??」
空は興奮気味で自分のことのように
喜んでくれた。
そんな空に
さっき貰った名刺を渡す。
「え?!ここ、俺らが所属してる
事務所じゃん?!?」
「え!空と同じ??」
嬉しい!!!
「じゃあほんとにモデルしちゃおっかな」
私がウキウキしてると
空は困ったように口を開いた。
「でもあれだな。美咲がモデルしたら
絶対すげー人気出て、雑誌とも
専属契約してファンも増えて…
でも俺からどんどん離れていって」
空はなぜか薄く笑いながら
眉を寄せている。
「は?離れるわけないじゃん!
私、空のおかげで世界が変わったの。
空がいなかったら私はまだ
ひどい男嫌いだったのよ?
私には空しかいないわ。」
「だよね。ごめん」
たとえモデルになったって
私の価値観は変わらないよ。