care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~
「やっと仕事終わって学校来れたよ」
私達は席に座って、いつもみたいに
空が振り向いて私に話しかける。
「…嘘だ。本当は彼女と遊んでたん
だよね?」
「…は?」
やっと会えて嬉しいのに口から
出てくるのは嫌な言葉ばかり。
「ねえ、教えて?空もやっぱり
他の男と同じなの?私、もう
男絡みで辛い思いはしたくないの」
もうあんな思いは一生したくない。
「美咲落ち着いて?それどこ情報?
俺は一切ほんとに遊んでないし
ずっと仕事ばっかしてきた。」
空が真剣な表情で話し始める。
私はその目を信じそうになった。
でも
「滝川 麗堵の事について話す
女の子達の会話が聞こえてきたの」
「それ本当っていう証拠でもある?
別に美咲を責めてるわけじゃないけど
美咲に誤解されるのは嫌だから」
…証拠?
ううん。ないや。
証拠もないのに疑っちゃだめだよね。
「ごめん。空、お仕事お疲れ様」
「よしよし良い子。」
空は慣れたように私の頭を
ポンポンと叩いた。