care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~
「もしもし…空?」
空からの電話は初めてで
緊張してしまう。
「うん、今どこ?学校早退したんだろ?」
「うん…授業受ける元気なくて…
えっと今、家だよ…きゃ!春?!」
私が電話してる時そばにいた春が
携帯を取り上げてきた。
「春!返して!!」
「何、他の男と電話してんだよ!!」
春の怒声で体がびくりと跳ねる。
その後に昔の事を思い出し
体が小刻みに震えだした。
春は震える私の前で携帯を壁に投げつけ
再び私に覆い被さってくる。
「ごめんなさい!!許してください!!
ごめんなさい!!」
私は何が悪かったって考える余裕なんて
なく、母親に虐待される前の小さな子供の
ように、ひたすら春に謝り続けた。
春はそんな私のタオルを取り上げ
裸の私を殴った。
中学ぶりのあの嗚咽をしそうな痛みが
体に走る。
さっきの春とは違い逆に私の体に
痛みを与えてきた。