care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~
バシッ
私の目の前で拳が捕まれている。
…空?
見ると空が私の目の前の拳を掴んでいた。
「そうやってさっきも
美咲殴ってたんだ?」
「は?さっき?」
「全部聞こえてんの。お前、
電話切らないまま放置してたから
お前の怒声、殴る音。それと
美咲が謝る声と俺の名前を呼ぶ声も」
…わ、私、知らない間に空のこと
呼んでたんだ。。
全部、空聞いてたんだね
「俺、お前を許さない。
美咲の心も体も殴っといて
平気な顔してるお前を絶対許さない」
…そら!!
「許さないってwあんたにとって
美咲は何でもねーんだよ?」
「何でもない?少なくともお前よりは
美咲の事よく分かってる友達だよ。
お前の方がもう美咲とは関係ないオトコ
なんじゃねーの?元彼だろ??」
「あ?俺の方が美咲の事わかってるし
てゆーかアイドルだろ?女は他にも
沢山いるくせに美咲にばっか関わろう
とすんなよ。」
私は春の言葉にプツッときた。
「それはこっちの台詞よ!!!
春だって他に女の子たくさん
いるでしょ?!私に関わんないでよ!
浮気してたくせに!!!」
私の発言に春は目を見開いた。
「お前…もしかしてそれに気づいて
別れたいって言ってきたの?」
春にコクリと頷く。
「おかしいと思った。あんなに暴力
振るっても別れたいなんて
言わなかったお前がそんな事
言ったから。」
春が反省してる感じなど
少しもなくて、ただ
苛だったように私を見下ろした。
「浮気くらいでゴタゴタ言うなよな」
「は?!浮気なんか!?
私があの時どれほど傷ついたか…」
私は悲しさを通り越して呆れた。
「帰って。もう二度と私の前に
現れないで」
もう顔も見たくないわ。
私が無言のまま春を睨み続けていると
春は顔を歪ましてドタドタと
部屋から出て行った。
春が出て行った後、
私はその場にしゃがみこんだ。