care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~



桜井さんに呼ばれ私は渡り廊下へ。




廊下では走り回って転けている人がいた。

裏庭のパンジーは風に吹かれて
揺れている。


いつもどうり平和な時間。





「話って何かな?」



ここに来るまで桜井さんはずっと
難しい顔をしていて一言も喋らない




私に何の用だろう…



そう思っていると桜井さんは
真っ直ぐ私を見つめて口を開いた。





「もう華宮くんとは仲良くしないで」




「…え」






ドクン


なんで。



空の近くにいていいと思ったばかりなのに





「あなたには他に沢山男の人
 いるじゃない!!なんで華宮くんに
 ばかり関わろうとするの?!
 彼が芸能人だから?」



は?



「なによそれ。私にとって空は芸能人でも
 そうでなくても関係ないの。
 一人の人間として大事なの。
 しかも私には空しかいないわ。」






私にとって心が許せる男の人は
空しかいない




それも知らないくせにどうして…






桜井さんは顔を歪めながら
また口を開く




「あなたのせいよね?華宮くんが
 停学になった件。迷惑なの。
 華宮くんも私も。」




迷惑…?





「あなたさっきから空のなんなの?
 私も一回は空から離れようとした
 でもそれに空が怒って、そばに
 いてもいいって言ってくれたの」
 





「私はあなたより華宮くんの事
 知ってる。中学の時から仲良いし。
 あなたなんて最近少し仲良くなった
 ばかりじゃない。調子に乗らないで」




…時間じゃないよ。






私がムッとしてると







「調子に乗ってんのはどっちだよ」




「華宮くん!!」


「空…」


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