care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~
「いいのー?華宮くんは。」
土曜日。
久しぶりに麻央とおでかけ。
「いいの。私、慶くんの事が好きに
なったから!!」
カップの中のミルクティーを
全部飲み干し銀色に光るフォークを持つ。
「ふーん。あ、てか美咲、克服したの?
男嫌い。最近、華宮くんや鳴海以外の
男子とも普通に話してるじゃん」
持ってたフォークでケーキを刺した。
「そうなの!考え方が変わってね、
もう男なんてへっちゃらよ??」
ヘラヘラ笑ってるけど、そんなの嘘。
全部、空に見せつけるため。
空がいなくても、もう大丈夫って。
空が近くにきたり、目が合ったり
するだけでドキドキしちゃう。
そんな気持ちになるより
男と話す時の気持ちの方が何倍もマシ。
「やったじゃん。これでお世話も
しなくてすむわ。」
「これからは私、強く生きていくよ」
そう言って食べたイチゴは
なんだか酸っぱかった。