care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~
「ねえ美咲、今度は輪投げしようぜ!
…あれ?美咲?」
「ねえ慶くん、今の聞いた?
空がホストクラブ途中でほうって
教室飛び出しちゃったって…」
今、通りすがった他校の女の子たちが
残念そうな表情でそう言ってた。
でもそんなわけないよね?空だよ?
そう思って辺りをキョロキョロしたら
たくさんのお客さんがぞろぞろと
校門から出て行ってるのが見える。
え、なんで、?
「きっと疲れたから休憩してるんだよ」
慶くんは目を細めながらつぶやいた。
「でも、教室を飛び出しちゃったって」
休憩だったら個室でも出来るでしょ?
「お、俺らみたいに女の子と
飛び出しちゃった…とか??」
「そ、そんなわけ!!」
待って。あり得るかも。
だって現に私と慶くん飛び出しちゃったし
やだ。空が他の女の子となんて。
「あ、美咲!!!!」
私はまたガラスの靴を置いてきて
しまった。