音楽室ハプニング
1曲目 幼なじみと僕と君
こけっ…
転んで膝を擦り剥く。
「痛ぁぁぁぁい〜」
エンエンと泣きだす私に手を差し出す。
「ほらっ、サクラ!
泣かないで!
僕が守ってあげゆから!」
「本当…?
雄大、じゅっと側にいてくえるの…?」
「うん!
じゅーっと一緒!」――――
チュンチュン…
鳥の鳴き声と眩しい光で目が覚める。
「眠っ……」
寝ぼけながら今日見た夢を思い出す。
雄大と私が幼稚園だった頃の記憶。
泣き虫な私をずっと励ましてくれていた。
「懐かしいなぁ…」
ベットにパフン!と横になる。
部屋には私の小さい頃の写真が飾ってある。
その隣には…
「ワゥン!!!」
「ぐぅえ!」
お腹にポチがダイブしてくる。
一気に目が覚めた。
「ポチ…もうちょっと優しく起こして…」
サクラはようやく起きだしたのだった。