声なし姫〜空に羽ばたく声〜
声なし姫
幸人side
俺の進む道はいつだって変わらない。
俺が生きる日常はいつだって変わらない筈なんだ。
そう、お前に出会った、あの日までは・・・
幸人side
「「「キャーーーーーー!」」」
いつまでたっても慣れない悲鳴と
「幸人ーユキトー様ーーー!明希ーアキー様ーーー!
今日もかっこいいーーー!」
「宇美ーウミー様ーーー!優希ーユウキー様ーーー!
今日も可愛いーーー!」
俺たちを呼ぶ黄色い声。
でも、その中に俺たちの中身を見ている人はいない。
まあ、それも無理はない。
俺たちは人気NO.1のバンドグループ『レインボー』だからな。
黄色い悲鳴を聞きながら俺たちは教室にいく。そして、毎日の日課である
「よお、太陽ータイヨウー」
「おはよ♪太陽」
「おっす!太陽」
「おはよう。太陽」
「おお、おはよう皆!元気だな!」
太陽に挨拶する。
太陽は同じクラスで俺たち自身を見てくれる奴。
そして・・・
「よお、遠崎」
「おはよ♪遠崎さん」
「おっす!遠崎」
「おはよう。遠崎さん」
「・・・」
太陽と一緒に居る女に挨拶する。でもそいつはいつも無視だ。
感じわりーと他の3人と一緒に太陽の前で愚痴ったらひどく怒るから何も言えない。