暴走族に愛された不登校女子。
気づいたら、直樹の腕の中にいた。
温かい…。
「嫌だったら、すぐに捨ててる。
ていうかな、言ったろ? お前は俺の嫁だって」
「……不安だったから」
「嘘だろ。智に言われたんだな、その顔じゃあ」
「馬鹿…、何でも見抜かないでよ…」
「…まぁ、あいつはひねくれているとこあっからな…」
直樹がため息を零すとあたしを抱き上げた。
「帰るぞ」
「うん…」
バイクに乗せてもらって、家にあっという間に着く。
その間、直樹の背中がすぐ傍にあって安心した。
ずっと、このままでいたい。
そういつの間にか思っていた。